永すぎた春に終止符を
湿気を含んだ空気は、夜になって気温が下がりまとまった雨になって地面をぬらしていた。

路面はしっかり水を含み、アスファルトに雨粒が当たって、跳ね返ってる。
私は、足を取られないように気をつけて足早に歩いていく。


タクシーが走ってる通りまで出よう。
こんなときにも、拓海といたときの節約する習慣が身についていた。


彼をなんと言って説得しよう。
私が結婚したいと言うから、彼は仕事を変えると言い出したのだ。

結婚はしなくていいから、このままでいたいと言おう。

もう一度、考え直してって言ったら、大学に残るって言ってくれるだろうか…


本当なら…私じゃなく里美を選んであげてと言って上げられればいいのに。
里美なら、彼のことを待っててあげられる。
研究の苦労を理解して上げられる。

彼女のほうが美人で優秀なのに。

私なんかが横から現れたから…
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