永すぎた春に終止符を

里美だけじゃない。

保田さんにだって迷惑をかけた。


最初から分かっていれば。
彼を傷つけなくてもよかった。

いくら聞きたかった言葉を聞かされても、他の人じゃ駄目なんだ。

私は、どんなに待たされても、どんなに彼に振り回されても、拓海の事を待つことしか出来ないんだ。


あ~あ。

モデルルームのような生活に、ミニバンで家族旅行なんて夢見てても、そこに拓海がいなきゃ。始まらないんだ。


あのバカ!!
早まって、教授に話したりしてないかな。

もう、4人家族の一家団欒なんていい。

毎年、クリスマスも自宅で、買ってきたチキンに、大袈裟なホールのクリスマスケーキを2人で一緒に必死で食べるクリスマスでもいい。

だから、拓海といるって伝えよう。

私は、それほどあなたを愛してるだなんて、今さら気がつくだなんて、私もどれだけ鈍いんだろうね。拓海のこと笑えないや。




目の前に階段があったのを思い出した。

暗くて、他の事を考えてて、ここに急な階段があったことを思い出したときには、踏み出した足の下には何もなく、ふわっとした感覚がした。

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