永すぎた春に終止符を
彼の腕が私の腰に回る。割と大胆にぐいっと寄せられて体が密着する。
やんわりと断ろうと、体を離そうとすると、ダメだよと言われて引き戻された。
「歩けないんだろ?抱っこしようか?」
「大丈夫です!!歩けます」
「ちょっと見せて」
私が靴を脱ぐ前に、保田さんは私の前に跪き、靴を持ち上げてパンプスを脱がせた。
彼は、私の足首をひざの上に乗せストッキングの上から丁寧に、傷がないか調べている。
「足の指と踵、赤くなってるね。履き替えよう。そのほうがいいよ。梨沙、履いてきた靴に替えて」
「あの…ごめんなさい。せっかくの靴を」
彼は、私が謝るのを、いいよ、と手で押し止めた。
「俺のほうこそごめん。早く気づくべきだった。痛い思いさせちゃったな」
靴を履こうと思って、足を引き抜こうと思っても、彼は私の足を、丹念に調べるように隅々までチェックしてなかなか放してくれない。
「靴…はいてもいいですか?」
「ああ…」
保田さんは、慌てて手を放した。