永すぎた春に終止符を


靴下を出してストッキングの上からはいた。
ワンピースにスニーカーは、あまりいい取り合わせとはいわないけど、これしかないから仕方がない。

保田さんは、脱いだパンプスを袋にしまってくれた。私は、かがみこんで足元の紐を結んでいて、彼が私に、真っ直ぐ向けた視線が気になった。

足元を見ていたと思った視線は、大きく開いたワンピースの襟元に注がれていた。上から見ても、ばっちり胸元の谷間が見える。

「あっ…」


「ご、ごめんつい、見とれちゃった。きれいな肌だなと思って。ごめん、俺、今日は謝ってばかりだな」


私のほうこそ気をつけなきゃ。
相手は冗談で済ませる拓海と違うのだ。
これじゃ、私が誘ってるみたいに思われる。







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