永すぎた春に終止符を
突然、強い風にに煽られて髪が乱れてしまった。
彼が笑いながら近づいてきて、髪を束ねるのに協力してくれる。
「ありがとう。鞄の中に髪ゴムがあったと思ったけど…」
バッグを手元に引き寄せようと思ったら、
「じゃあ…顔上げて」と言われた。
私は、反射的に言われたことを実践してしまった。
「ごめん、もう無理…」
という声と一緒に、髪をつかんでいた彼の手がゆるみ、髪の毛がふわっと広がった。
「保田さん…放しちゃったらもう…収集つかない…ええっ?」
気が付いたら両手で顔を挟まれてキスされていた。
「んぐっ…な…に」
むにゅっという柔らかな感覚が唇を襲った。
背中に当てられた、ひんやりとした冷たい手すり以上に、私の気持ちは落ち着いてる。
けど、保田さんの体は、キスが深くなると同時に急激に熱を帯びてくる。
止めなきゃ。本当にこんなところで…
「家に帰ろう。俺のとこ?それとも君の部屋に?今すぐ君が欲しい…」
片方の手が、下に伸びて胸をつかんだ。もう限界…
「ちょ、ちょっと、こんなところで止めてください」
彼は、水を浴びせられたようにびっくりしている。
「止めて!!私、一人で帰ります。腕、離して下さい」
彼がひるんだ隙に、両手で相手の体を突き放した。
「どうしたの?」
「止めてっていってるの」