常務の秘密が知りたくて…
だからといって、これはどういう状況なんだろうか。
連れてこられたレストランの前で私は物怖じしてしまった。窓からちらりと窺える店内は落ち着いた雰囲気の紳士淑女が楽しそうにしていてどう考えても場違いなのが伝わってくる。
「んなところで突っ立ってたら邪魔だろ」
後ろから不機嫌な声が飛んできて私は眉を寄せた。もちろん声の主は常務で私の緊張を思いやる優しさなど微塵も見せずに、さっさと入口に足を進める。
常務は慣れているかもしれないけど、私はこういうところは初めてなんだから。
口には出さずに心の中で悪態をつきながら、私は急いでドアに向かった。いつも扉を開けるのは秘書の仕事だ。しかし先ににたどり着いた常務がドアを開けてこちらを待ってくれる。
「す、すみません 」
「いいから、早くしろ。寒いだろ」
たったそれだけのことなのに、いつもと立場が逆転してなんだか気恥ずかしい。コートを預けて窓際の奥の席に通される。
暖色系のライトに照らされた店内は華美すぎず思ったよりもシンプルなつくりだ。それでも緊張しないことにはかわりはないのだけれど。
席についても案の定、落ち着かない。一応、希望を聞いてくれたがメニューを見てもさっぱりなのでここは大人しく常務に任せることにする。
「酒は飲めるのか?」
「わりとなんでも飲めますし好きですよ。どのワインがいいとかはわかりませんけど」
私は素直に答えた。料理に合わせるという発想はあまりなくワインなら白の甘口が一番飲みやすくて好きだ。さすがにそこまで言うと馬鹿にされるのが目に見えているので言わないが。
「そうか。お前は飲めるんだな」
少しだけ驚いたように言われ、それからボーイを呼んで注文してくれる。先程からなかなか目線をどこに落ち着かせていいのかわからず挙動不審な私とは違って常務は慣れたものだ。
連れてこられたレストランの前で私は物怖じしてしまった。窓からちらりと窺える店内は落ち着いた雰囲気の紳士淑女が楽しそうにしていてどう考えても場違いなのが伝わってくる。
「んなところで突っ立ってたら邪魔だろ」
後ろから不機嫌な声が飛んできて私は眉を寄せた。もちろん声の主は常務で私の緊張を思いやる優しさなど微塵も見せずに、さっさと入口に足を進める。
常務は慣れているかもしれないけど、私はこういうところは初めてなんだから。
口には出さずに心の中で悪態をつきながら、私は急いでドアに向かった。いつも扉を開けるのは秘書の仕事だ。しかし先ににたどり着いた常務がドアを開けてこちらを待ってくれる。
「す、すみません 」
「いいから、早くしろ。寒いだろ」
たったそれだけのことなのに、いつもと立場が逆転してなんだか気恥ずかしい。コートを預けて窓際の奥の席に通される。
暖色系のライトに照らされた店内は華美すぎず思ったよりもシンプルなつくりだ。それでも緊張しないことにはかわりはないのだけれど。
席についても案の定、落ち着かない。一応、希望を聞いてくれたがメニューを見てもさっぱりなのでここは大人しく常務に任せることにする。
「酒は飲めるのか?」
「わりとなんでも飲めますし好きですよ。どのワインがいいとかはわかりませんけど」
私は素直に答えた。料理に合わせるという発想はあまりなくワインなら白の甘口が一番飲みやすくて好きだ。さすがにそこまで言うと馬鹿にされるのが目に見えているので言わないが。
「そうか。お前は飲めるんだな」
少しだけ驚いたように言われ、それからボーイを呼んで注文してくれる。先程からなかなか目線をどこに落ち着かせていいのかわからず挙動不審な私とは違って常務は慣れたものだ。