常務の秘密が知りたくて…
常務が戻って来たのは坂本様を見送ってしばらくしてからのことだった。
「坂本はもう帰ったのか?」
「はい。またいらっしゃるとのことでした」
帰り際、「長丘にいじめられたらいつでも言うてき」と言われ連絡先の紙まで頂いてしまったが、これはわざわざ報告することではないだろう。
常務は険しい顔をしながらデスクに戻ろうとしたので私は外回りで済ませた用事を報告するために席を立つ。そんな私を制するように常務が先に言葉を発した。
「少しトラブルがあった」
その言い方は端的ではあったが、常務の表情も声もいつになく硬いのを感じてただごとではないのが伝わってくる。
「残りの仕事を終えたら、今日はもうあがれ」
「常務はどうされるんですか?」
会話をしながらも常務はパソコンを確認して書類をまとめながら外に出る準備をしていく。
「一度会社には戻ってくるが、何時になるかわからない。後は頼んだぞ」
それだけ告げて常務は部屋を後にした。状況が把握できないまま部屋に残された私は呆然とする。私はどうするべきなんだろうか。
色々な感情が入り乱れながらそれを沈めるために自分の頬を軽く叩いた。私はお飾りの秘書なのかもしれない。坂本様の話が本当だとしてどうして私を秘書に選んだのかなんて全く見当がつかない。
それでも今は私が常務の秘書なのだ。だから感傷に浸っている暇はない。私は棚にあるファイルを取り出してパソコンに再び向き合った。
「坂本はもう帰ったのか?」
「はい。またいらっしゃるとのことでした」
帰り際、「長丘にいじめられたらいつでも言うてき」と言われ連絡先の紙まで頂いてしまったが、これはわざわざ報告することではないだろう。
常務は険しい顔をしながらデスクに戻ろうとしたので私は外回りで済ませた用事を報告するために席を立つ。そんな私を制するように常務が先に言葉を発した。
「少しトラブルがあった」
その言い方は端的ではあったが、常務の表情も声もいつになく硬いのを感じてただごとではないのが伝わってくる。
「残りの仕事を終えたら、今日はもうあがれ」
「常務はどうされるんですか?」
会話をしながらも常務はパソコンを確認して書類をまとめながら外に出る準備をしていく。
「一度会社には戻ってくるが、何時になるかわからない。後は頼んだぞ」
それだけ告げて常務は部屋を後にした。状況が把握できないまま部屋に残された私は呆然とする。私はどうするべきなんだろうか。
色々な感情が入り乱れながらそれを沈めるために自分の頬を軽く叩いた。私はお飾りの秘書なのかもしれない。坂本様の話が本当だとしてどうして私を秘書に選んだのかなんて全く見当がつかない。
それでも今は私が常務の秘書なのだ。だから感傷に浸っている暇はない。私は棚にあるファイルを取り出してパソコンに再び向き合った。