常務の秘密が知りたくて…
「一緒にいた僕の秘書ね、元々長丘のところにいたんだよ」
どこかで見覚えがあると思っていたのは、彼女が常務の秘書をしていたからだったのだ。それでも二人は会話らしい会話もなかった。
「彼女もね、白須さんと同じように言ってうちに来たんだよ。それで長丘の秘書を辞めるときあいつが彼女を引き止めたと思う?」
答えは聞く間でもなかった。そのとき常務が戻ってきたので私はなんだか後ろめたくなり、急いで話をまとめて電話を切ろうとした。
「結局、傷付いて泣く前にうちに来たほうが賢明だと思うけど?」
色々言っていたが、電話を切る直前の堀田さんの声ははっきりと耳に届いた。
「誰からの電話だったんだ?」
電話を切った途端尋ねられ、なんとなく察しがついているような感じだったが私は改めて説明した。
「堀田さんからでした。その、うちに来ないか、なんて冗談交じりに言われて」
なんて言われるだろうか、と思いながら常務を窺う。
「またあいつ、余計なことを……。行く気はあるのか?」
「そんな、ありませんよ!」
必死になって否定したが、常務はあまり興味がなさそうだった。
「堀田はいけ好かない奴だが、それは俺が口を出せることじゃないしな」
常務の言っていることは至極まっとうなのに、ひどく傷付いている自分がいて、さらにはさっきの堀田さんに言われた言葉と合わさって抉られるように痛い。なんだか泣きそうだ。
「あの、堀田さんといらしていた方って常務の秘書をされていたんですね」
どんな答えを求めたのか自分でもわからないまま気になったことを口にする。すると途端に常務は面倒くさそうな表情になった。やはり今話題にするべきことじゃなかったのかもしれない。
「ま、転職は個人の自由だからな。あいつの代わりはいくらでもいたし」
そう言った常務に私は何も言えなかった。
どこかで見覚えがあると思っていたのは、彼女が常務の秘書をしていたからだったのだ。それでも二人は会話らしい会話もなかった。
「彼女もね、白須さんと同じように言ってうちに来たんだよ。それで長丘の秘書を辞めるときあいつが彼女を引き止めたと思う?」
答えは聞く間でもなかった。そのとき常務が戻ってきたので私はなんだか後ろめたくなり、急いで話をまとめて電話を切ろうとした。
「結局、傷付いて泣く前にうちに来たほうが賢明だと思うけど?」
色々言っていたが、電話を切る直前の堀田さんの声ははっきりと耳に届いた。
「誰からの電話だったんだ?」
電話を切った途端尋ねられ、なんとなく察しがついているような感じだったが私は改めて説明した。
「堀田さんからでした。その、うちに来ないか、なんて冗談交じりに言われて」
なんて言われるだろうか、と思いながら常務を窺う。
「またあいつ、余計なことを……。行く気はあるのか?」
「そんな、ありませんよ!」
必死になって否定したが、常務はあまり興味がなさそうだった。
「堀田はいけ好かない奴だが、それは俺が口を出せることじゃないしな」
常務の言っていることは至極まっとうなのに、ひどく傷付いている自分がいて、さらにはさっきの堀田さんに言われた言葉と合わさって抉られるように痛い。なんだか泣きそうだ。
「あの、堀田さんといらしていた方って常務の秘書をされていたんですね」
どんな答えを求めたのか自分でもわからないまま気になったことを口にする。すると途端に常務は面倒くさそうな表情になった。やはり今話題にするべきことじゃなかったのかもしれない。
「ま、転職は個人の自由だからな。あいつの代わりはいくらでもいたし」
そう言った常務に私は何も言えなかった。