常務の秘密が知りたくて…
「いいも何も、俺が口出すことじゃないだろ。あいつが自分で決めたことだ」
「ふーん。長丘にとって絵里ちゃんも所詮、その程度の存在やったんや。わざわざ秘書にまでしておいて」
その言葉に俺は眉をひそめる。坂本の言い方はいつもと変わらず飄々としていたが、どこか責められてもいるような感じもした。
「そういうわけじゃない。でも、今は後悔している」
「秘書にしたことを?」
「出会ったことを、だ」
俺は自嘲的に答えた。出会わなければ、こんな風にまた自分の無力さを感じることも失う痛みを感じることもなかった。誰かのために自分を犠牲にする彼女を見ることもなかった。そのことに勝手に苛立ち傷付けることだって。
「出会わなければよかったんだ」
前世の記憶なんてなければ、もしくは彼女にも記憶があれば。どうして俺だけが覚えているんだ。何もかもが不毛で、こんなにも辛くて。この記憶がずっと俺を苦しめている。
「なんで俺の望みはいつだって叶わないんだ」
笑っていて欲しくて、幸せになって欲しいだけなのに。俺は彼女を傷付けてばかりだ。彼女のいう幸せに俺は口出すことなんて出来ない。俺にしてやれることなんて何も――
「ふーん。長丘にとって絵里ちゃんも所詮、その程度の存在やったんや。わざわざ秘書にまでしておいて」
その言葉に俺は眉をひそめる。坂本の言い方はいつもと変わらず飄々としていたが、どこか責められてもいるような感じもした。
「そういうわけじゃない。でも、今は後悔している」
「秘書にしたことを?」
「出会ったことを、だ」
俺は自嘲的に答えた。出会わなければ、こんな風にまた自分の無力さを感じることも失う痛みを感じることもなかった。誰かのために自分を犠牲にする彼女を見ることもなかった。そのことに勝手に苛立ち傷付けることだって。
「出会わなければよかったんだ」
前世の記憶なんてなければ、もしくは彼女にも記憶があれば。どうして俺だけが覚えているんだ。何もかもが不毛で、こんなにも辛くて。この記憶がずっと俺を苦しめている。
「なんで俺の望みはいつだって叶わないんだ」
笑っていて欲しくて、幸せになって欲しいだけなのに。俺は彼女を傷付けてばかりだ。彼女のいう幸せに俺は口出すことなんて出来ない。俺にしてやれることなんて何も――