リーダー・ウォーク

チワ丸を連れて歩いて帰るつもりだったが松宮はタクシーを用意してくれていて
それに乗ってゆうゆうと帰宅。職場の人と飲み会帰りに彼氏と合流し豪華なホテルの
スイートで一泊。じっくりと楽しめなかったが夕食も朝食も最高に美味しかった。

何て贅沢なコースなんだろう。いいのだろうかこんなので。


「チワちゃん。どう思う?」

いったん部屋に戻り着替えをしてからチワ丸を連れて病院へ向かう。
飼い主が居ないのでちょっとしんみりしているチワ丸。
あと病院に来たことが分かったようで怖いのか若干ブルブルと震えていた。


『チワ丸どうだった?ごめん。やっぱ心配でさ、もう行った?まだ行ってないか?』

帰宅したらもうお昼の時間。カップラーメンとチワ丸専用フードを容器に入れて
お互いに無心で食べていたら携帯が震えて、画面をみると松宮からだ。
彼も昼休憩の時間?だろうか。

「行きました。問題はないそうですが定期的なシャンプーと衛生面気をつけてあげてと」
『そうか。問題ないか、シャンプーはもっと増やすべきか?』
「暑くなってきてからでいいと思います。衛生面も今だって十分気を使ってるし」
『わかった。…はぁ。良かった。もしアレルギーとか出てきたら肌がとんでもないことになるだろ?
食べ物も制限されちまう、気を使ってはいるが過剰なのは可哀想だからな』
「崇央さんが買ってくる無添加鹿肉ジャーキー大好きですもんね」
『あれも手に入れるの結構大変なんだけどな。とにかく、良かった。じゃあまた夕方引取に行くわ』
「はい」

やっぱり心配だったんだ。チワ丸に対しては素直で真面目だもんな。
ちょっと笑いそうになるのを堪えつつ電話を切る。
ちらっとチワ丸をみたら向こうもこっちを見つめていた。
彼にも何となく分かるのだろうか、電話の相手が松宮だということが。

伸びはじめたラーメンを慌てて食べて容器を片付ける。彼が夕方来たらどうせ部屋に
長居するのだろうからこんなもん食ってるのかと文句を言われそうなので。
あとチワ丸のトイレ掃除と爪切りと、あと部屋の掃除も怠らずに。


思ったことは気にせずすぐに口に出す人です。


恋人な関係ってこんな神経尖らせて気を使うものなんだろうか。


あれこれと厳しく指示されて怒られている気がするけれど

それでも彼は私を開放する気は無いらしい。
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