継恋
「どうぞ。」
エセ王子がテーブルに置いたコーヒーの香ばしい香りが現実に引き戻してくれた。
「ごめんね。ビックリしたでしょ?それ飲んだら落ちつくよ。」
エセ王子は、何事もなかった様に私にコーヒーを勧めた。
「あっ?ありがとうございます。」
どうやら、当時者の彼よりも私の方が動揺しているようだ。
私は、普段コーヒーとか余り飲まないし、いつもCafe等でも抹茶ラテを頼むぐらい甘党だ。だから、コーヒーのブラック等あまり飲んだことは無かった。だがさすがに、ミルクと砂糖を図々しく求める事は出来なかった。
今まで僅かに飲んだことのあるコーヒーの苦い思い出に恐る恐るカップを唇に近づける。
「あれっ?!苦くない。」
思わず口を開いた。
「美味しいでしょ?」
エセ王子は、得意?の微笑みを私に向ける。
「はいっ。今まで飲んだコーヒーで一番美味しかったです。もしかしてもの凄く良い豆を使ってるんですか?」
ついエセ王子の微笑みに甘えて質問してみた。
「いや、普通のお豆さんだよ。まっあえて言うなら状況かな?」
「状況ですか?」
訳の解らない私を見てエセ王子は、ゆっくりと話し始めた。
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