継恋
「例えば、今テーブルの上にコップに半分だけ入った水があるとするね。多分恵美花ちゃんから見たらただの水だし、魅力も興味も感じないと思うよ。じゃあ今度は目を閉じてみて。」
私は、エセ王子に言われるがまま目を閉じた。
「じゃあ今度は、今自分が砂漠にいる姿を想像してみて。焦げる程照りつける太陽、何処を見渡しても辺り一面砂漠。汗は止めどなく流れ喉はからから。そこに、さっきのコップ半分の水があります。恵美花ちゃんならどうする?」
「美味しくいただきます!」
即座に答えた。
エセ王子はニコニコしながら話しを続けた。
「そっ。さっきまで何の興味も魅力も感じなかった水なのに、状況が変わるとこんなに愛しく思えちゃうね。これは、このコーヒーも同じだよ。コーヒーに含まれるカフェインは、疲労感を取り除く作用があるし。そして淹れたてのコーヒーの香りの成分アロマは、精神を落ち着かせる作用があるんだよ。恵美花ちゃんのさっきまでの状況にピッタリでしょ?」
エセ王子の話しで、疑問が消えて、心も身体もリフレッシュ!
ってその状況の原因を作りだしたの貴方なんですけどっ!!!
と思ったが出逢って10分足らずの男性にツッコミを入れる程私は、世間知らずではなかった。
「彼女さん大丈夫ですか?」
変わりに意地悪な質問をしてみることにした。
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