俺様社長の恋の罠
もっと嫌なのは、この電話の呼び出しにホッとしてる自分がいることだ。
眞木の幸せな話をこれ以上聞かなくてすむ理由ができたことを、私は喜んでる。
そんな自分が心底嫌で、またため息がでる。
だけどいつまでもそうしているわけにはいかず、私は一度眞木のもとに戻る。
「ごめん、眞木。行かなきゃいけなくなっちゃった」
コートと鞄を持ちながらそう言う私に、眞木は不満そうな顔を見せる。
「またかよ。こないだもその前もだったじゃん。俺、羽山に話したいこといっぱいあんだけど」
そう言って唇をとがらせる眞木をかわいいな、と思いつつ私は頭を下げる。
「ほんとごめん。今度埋め合わせするから」
「こないだもそう言ってましたけどー」
確かに前回もそう言った。もうこれは平謝りするしかない。