俺様社長の恋の罠

「美月」


そこにいたのは九条社長で、その顔は不機嫌極まりない。


綺麗な顔をしてる分、すごく迫力のあるその顔に怖くなって思わず回れ右しそうになる私に、社長はあっという間に近付いてきて私の手を掴む。


「なぜ逃げる」


そう言われて社長の顔を見るけど、やっぱり怖い顔してる。


「しゃ、社長が怖い顔してるからです」


思わず素直にそう答えた私を見て、社長は困ったように眉を下げる。


「それはお前があんな半端な答えで電話切るから……」


そう言った社長の顔がみるみるうちに険しくなる。さっきよりも険しいその顔に私は本気で怯えてしまう。


「美月。何、他の男の匂いつけてんだよ。……あいつか」


そう言われて、はっとする。そういえば眞木に抱きしめられてたっけ。


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