俺様社長の恋の罠

社長、すごい怒ってる。こんなに怒ってるの初めて見たかも。


「来い」


そう言われて手を引かれて近くに停めてあった九条社長のものらしい車の後部座席に押し込まれる。


なぜか私に続いて後部座席に入ってきた九条社長が私を押し倒して覆いかぶさってくる。


「あいつに何された?香水の匂いが移るほど近づかれて、何された」


頬を包まれて、険しい顔のままの九条社長が低い声でそう囁く。


「く、九条社長」


こんな顔、初めて見た。苦しげに眉を寄せて、なのに瞳の奥に炎が揺らめいている。


そんな九条社長から、私は魅入られたように目が離せなくなってしまう。


「他の女と結婚するっていうから安心してたのに。美月……まだあいつのこと好きなの?」


え、なんか……これって、何だか社長が眞木に嫉妬してるみたいに聞こえるんだけど。気のせいかな。


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