俺様社長の恋の罠
そして今は、広い湯船で崇人さんに背中から抱きしめられている。
「よし、あいつの匂い消えたな」
そう呟いて私の首筋に顔を埋めていた崇人さんは私の顔を後ろから覗きこんでくる。
「で?あいつに何されたんだ?」
眉を寄せた険しい顔でそう問われて、私は思わず身を縮めるけど正直に答える。
「……抱きしめられました」
そう言うと私のお腹に回っている手に力がこもって崇人さんの顔がますます険しくなっていく。
「それで?」
う、声もいつもより低いし。でもこれも嫉妬してくれてると思うと、ちょっと嬉しかったりもする。
「好きだったと言われましたけど。でもあれは、過去の清算というか。そういうものです」
そう言って私は崇人さんの方を振り返る。
嬉しいけど、険しい顔より笑ってる崇人さんの方が好きだから、ちゃんと好きなのは崇人さんだって言わないと。