カタブツ上司に愛された結果報告書
「自分にとってとても大切な人でして。……だからこそ信じたいのに信じられなくて。変なことばかり考えて疑ってしまうんです。そんな自分もまた嫌になってしまって。なんかもう悪循環でどうしようもない状態です」


思わず苦笑してしまい、缶を持つ手が強まってしまう。

けれど真由子さんは迷う様子も見せず、ズバッと解決策を言った。


「聞けばいいじゃない、本人に美海ちゃんがモヤモヤしていることを」

「――え」


迷いなく放たれた言葉に、茫然としてしまう。
そんな私を見ても、真由子さんは動じることなく話を続けた。


「美海ちゃんにとってその人は大切な人なんでしょ? だったら尚更よ。これがどうでもいい人だったら何も言わないけど、大切な人だからこそ本気でぶつからないと。……これからもずっと変わらず大切な存在なんでしょ?」


これからもずっと……?

その問いかけの答えは、もちろんイエスだ。


私にとって田中さんはこれからもずっと大切な存在。そばにいたい人。


「……はい」

力強く答えると、真由子さんは表情を緩めた。
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