カタブツ上司に愛された結果報告書
やって来たのはレストラン街に一件だけのカフェ。


夕食時間の今、店内に客はまばらながらも、私はどうにかふたりの会話が聞き取れる席を確保し、注文したカフェオレをチビチビ飲んでいた。


「あ~もう! あと少しで灯里が憎き健太郎に奪われるというのに、どうしてこう忙しいんだ!!」


「それは代表がご自身で業務拡大を宣言したからではありませんか。おかげで私もとばっちりを食らい、少々迷惑しております」


「なっ、なんだと!?」

「お静かに。ここは会社ではありませんので」


興奮する代表とは違い、いつも通り涼しい顔をしながら珈琲を啜っている田中さんは、さすがというべきか……。でも――。


私の席からは彼の横顔しか見えない。

けれどその横顔にさえキュンとしてしまう私は、相当田中さんに惚れこんじゃっているとしか言いようがない。


あぁ、やっぱりカッコイイな。

ふたりが並んでいるとみんな必ずと言っていいほど代表を見るけど、私は断然田中さんだな。
もちろん代表もカッコイイと思うけど、それ以上に田中さんがかっこよくて堪らない。


不審者の如く何度もチラチラと田中さんを見つめてしまう。
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