カタブツ上司に愛された結果報告書
田中さんと代表、そろそろ戻ってくると思うんだけど……。


田中さんのスケジュールは絶対だ。
早まることはあっても、遅くなることはないと思うんだけどな。


ビルにやって来る人、ひとりひとり見逃さないように目を見張っていたとき、目に飛び込んできたのは一際目を引く長身の男性。


代表だっ……!


疲労が溜まっているのか、腕をグルグルと回しながらエントランスを抜けていく。


代表の半歩後ろには、背筋がピンと伸び姿勢正しく歩く田中さんの姿があった。


オフィスへ向かうためエレベーターに乗り込むのだろうと思っていたものの、予想に反してふたりが向かう先はレストラン街。


嘘でしょ!? 戻るんじゃないの?

慌てて飛び出し、ふたりに気づかれないよう後を付けて行った。




「ここの珈琲もうまいが、やっぱり灯里が淹れてくれた珈琲が一番うまいな……」

「社用エスプレッソマシンにて淹れた珈琲がですか? でしたら私がいつでも淹れて差し上げましょう」

「アホ! 灯里が淹れてくれることに意味があるんだ!!」
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