カタブツ上司に愛された結果報告書
ボーっと立ち尽くしてしまっている私に綺麗に一礼すると、彼は今度こそ本当に足早に去って行った。

しばし彼の背中を見送ること数分――。


「……っ面接っ!!」


腕時計で時間を確認すれば、急いで行かないと間に合わない時間になっていた。


サッと血の気が引きつつも、ひたすら走っていく。

その途中頭に浮かんでしまうのは、これからの面接のことではなく、彼のことばかりだった。


内定取れたら、嫌でも知ることになる……か。


本当なのかな? いくら同じ会社って言ってもたしか数百人は社員がいたはず。
そんな中から見つけ出すことができる?


社会人になって会社で働くってことは、大学生の私には未知の世界すぎてよく分からないけれど、配属先が違ったら顔を合わす機会がないものじゃなのかな?


それともまさか彼、私とそれほど歳が変わらないように見えたけど、重役かなにか?
だから嫌でも名前を知ることになるなんて言ったのかな?


でも――。

最後に彼がかけてくれた言葉を思い出すと、嫌でも顔が熱くなってしまう。
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