カタブツ上司に愛された結果報告書
でもその判断は間違っていなかったのかもしれない。


田中さんは連絡してもいいって言ってくれたけれど、忙しいって分かっていながら連絡するわけにはいかないもの。

それにこうして会社に来れば田中さんに会えるし。

今はそれだけで充分。


たまにふと三日前に聞いた灯里ちゃんの話を思い出してしまうこともあるけれど、そのたびにデートの日、ふたりで過ごした時間を思い出していた。


たった一日だけど田中さんと過ごした時間の中で、沢山の話をして彼のことを知れたと思うから。
そこまで思い出すと、どうしても最後に乗った観覧車での出来事を思い出してしまい、無意識に身体中が熱くなってしまう。


「……美海ちゃん、大丈夫? なんか顔が赤いけど……もしかして風邪?」

「えっ! いっ、いいえ違います違います!! すみません、続きお願いします」


「そう? 無理しないようにね」

心配そうに私を見ながらも、真由子さんは話を続けた。


あーもう、私ってばなに仕事中に思い出しちゃっているのよ。今は仕事中!


気持ちを入れ替え、真由子さんの話に耳を傾けた。
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