カタブツ上司に愛された結果報告書
「私も楽しみにしております。……灯里さんの花嫁姿を」


唇の両端を上げ微笑む姿に、心臓が飛び跳ねた。


私、知らないから。田中さんのあんな優しくて、蕩けちゃいそうな笑顔なんて知らない。


完全に打ちのめされた気分だ。

フラフラした足取りで元来た道を戻っていく。


田中さん、灯里ちゃんの前ではいつもあんな顔しているのかな?


灯里ちゃんの方が私よりずっと前から田中さんと知り合いだし、代表の送迎もしているんだもの。家で話したりしているんだよね?

それこそ私の知らない田中さんを、沢山知っているんだ灯里ちゃんは――。


考えれば考えるほど、胸はズキズキと痛むばかり。


会社で“ロボット人間”なんて呼ばれてしまっている彼――。

いつも感情の読めない顔で淡々と仕事をこなしているし、会話しているときだって何を想っているのか分からない。


それでもあのデートの日、ちょっとした変化で彼の感情を読み取ることができると感激していた。

私だけが知っている彼の姿だと勝手に――。
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