部長っ!話を聞いてください!
ぶっ、部長の家とか……いつか行ってみたい!
「それが二人っきりとかだったら、最高なんだけどなぁ」
気持ちを言葉にしたら、余計に顔が熱くなってしまった。
見ているだけでいいはずなのに、ちょっとずつ欲張りになっていく自分がいる。
どんな部屋に住んでいるんだろう。
仕事から離れたら、どんな話をするんだろう。
料理が好きなら、キッチン用品も充実しているんだろうな。
もしかしたら、部長が手料理を振るまってくれるかもしれない。
想像していると、胸がドキドキしてくる。
でもその反面、ちょっぴり切なくもなってくる。
部長の隣りで毎日を過ごせるような、そんな未来が私に訪れてくれたら良いのに。
焦がれる未来は、どれだけ手を伸ばせば届くのだろうか。
小さくため息をついて顔を上げると、ショッピングセンターの出入り口近くの一角に小さなフラワーショップがあることに気が付いた。
そうだ。部長はガーデニングも好きだったんだ。
自然と足はそちらに向かっていく。