部長っ!話を聞いてください!

今朝の出来事を振り返ると、部長を嫌な気持ちにさせた理由はそれくらいしか見当たらない。


「社内で、部長と同じマンションに住んでるとか、言い触らしたりしませんから。部長の家に押しかけたりとかもしませんから……あぁでも、困った時は行ってしまうと思います。その時はごめんなさい」


ごめんなさいと言いながら頭を下げた。

部長に機嫌を直してもらいたいのに、でも嘘はつけなくて、言葉を並べれば並べるほど、火に油を注いでいるような気持ちになっていく。

表情を伺うように恐る恐る顔をあげ……私は息を飲み、半歩下がった。

部長の不機嫌さが三割増しになっている!


「別に、いつか土屋に住んでるマンションが同じだとばれるだろうなとは思っていた。何か困った事があったら、俺を頼れば良い……一応、お前の上司だし」


ふうっと息を吐き出し、心なしか肩の力を抜いてから、部長が静かにそう言った。

かけられた言葉が、心に染み込んでくる。

温かさがじわりと広がり、悲しさの中から喜びが顔を出す。


「部長っ!」


堪えきれず、私は部長に向かって突き進んでいく。


「私、今困ってます。怒らないでください。機嫌直してください。プレゼント受け取ってくださいっ!」



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