部長っ!話を聞いてください!
誕生日プレゼントも渡せないまま、部長に……好きな人に変な誤解をされ続けるのだけは、絶対に嫌!
「部長。会議の資料できました。確認お願いします」
無視されるかとびくびくしながら、私は部長のデスクの横に立った。
「有難う」
部長はパソコンから私の方に顔を向け、左の手の平を差し出してきた。
私はそこに抱え持っていたファイルを乗せた。
こっちに顔だけ向けてくれてはいるが、目を合わせてはくれない。
昨日は、しっかり目を見て話てくれていたのにと思ってしまうと、途端に切なさで胸が苦しくなっていく。
私は手を伸ばした。
「部長。お願いです。分かって下さい。信じてください」
「土屋、席に戻れ。背もたれにしがみつくな、揺れる。気持ち悪い」
「でも、部長ぅぅ」
部長の椅子の背もたれにすがりつくと、トンッとおでこを叩かれた。
「仕事!」
そして私のデスクの方に向かって、手を払った。
「はぁい」
仕事中なのだから怒られて当然なのだけれど、邪険に追い払われてしまうと、やっぱりへこむ。
「神崎部長。何があったのか分かりませんが、話くらい聞いてあげてもいいんじゃないですか?」