部長っ!話を聞いてください!


「……えっ?……あぁ、ありがとう」

「今日、お祝いしませんか? みんなで食事しましょうよ…………でもできれば、私は部長と二人っきりでお祝いしたいです」

「今日?……いや、今日はちょっと」


戸惑う部長に向かって、また先輩が笑顔の花を咲かせる。

持っていたプレゼントを押し付けると……それは何の苦労もなく、部長の手へと渡っていった。



すんなり受け取ってもらえた先輩と、頑張っても受け取ってもらえない自分。

その違いに、気持ちが沈んでいく。

ズキズキと胸が痛みを発する。


先輩が、ショッピングバックを掴んだ部長の手に、そっと自分の手を重ねた。

ちょっとだけ背伸びをして、部長の耳元に顔を寄せ、何かを囁きかけている。

驚きから困り顔、それから苦笑いへと、部長の表情が変化していく。

苦笑いといえども、私に向ける表情よりは温度がある。


胸が……心が痛い。


思い出したように部長が私に目を向けた。

表情が消えれば、なおさら切なくて苦しくなっていく。


ダメだ。


そんな言葉が頭をよぎり、私は部長から目をそらした。

自分のデスクに戻り、引き出しの中に部長へのプレゼントを押し込み、椅子に体を落とした。


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