部長っ!話を聞いてください!
でも、数秒前に見えた表情はいたって普通だった。
表情からは何も読みとれないとなると、次は話がしたくなってくる。
黙っているのが苦しくなってくる。
何か話したくて、部長の声が聞きたくて、私は頭の中で必死に話題を探した。
「……あっ! そう言えば、先輩からは誕生日プレゼント何もらったんですか?」
話しかけると、部長の意識が部屋の中に戻ってきた。
私を見つめ数秒後、部長は悩ましげに首を傾げた。
「いや……中に何が入っていたかまでは、分からない」
「開けてないんですか?」
「あぁ。そのまま返したからな」
「……かっ、返しちゃったんですか!?」
言いながら、帰り際に部長が先輩を連れ出したあの光景が頭に浮かんできた。
あの時までは部長の手に先輩からのプレゼントがあったのだから、返したのはきっとその後だろう。
「土屋からのを受け取っていないのに、他のやつからのプレゼントを受け取るわけにいかないだろ?」
部長を見つめ数秒後、私は言葉の意味を理解すると同時に目を大きくした。
そして口元がにやけそうになるのを必死に堪えた。
そんな風に思ってもらえていたことも嬉しい。