部長っ!話を聞いてください!


「嫉妬って、やつですよねっ!?」

「うるさいな。そんなに目を輝かせながら言うな!」

「……てっ、照れてるんですか!? 照れてる部長も素敵ですっ!」

「やめてくれ」


前のめりな私の肩を両手で押し返した後、部長は「あぁ、そうだ」と呟いて、プレゼントを持つ手を上げた。


「朝顔の種も、ありがとうな。今度の休みに植えるから、付き合え――……あっ……あー」


言いながらテーブルを見て、部長が顔を強張らせた。


「え?」


どうしたのかと、私も部長の視線を辿り、「あぁっ!」と掠れ声を上げた。

テーブルの上に立てておいた詰め替え用の袋が倒れ、下に敷いてあるラグへと中身が流れ落ちている。

慌てて雑巾を取りに行ったけど、もう拭いてどうなるレベルではない。笑うしかない。

ラグに染み込んでしまった液体を吸い取るべく雑巾を押し当てていると、匂いがきつくて咳き込んでしまった。

それは私だけでない。部長もだ。


「良い匂いなんですけど……ここまでくると辛いですね」

「そうだな。明日も土屋は歩く消臭剤なんだろうな」

「……明日も一緒に電車乗りましょうね」


だんだんとこの状況が面白く思えてくる。

目と目を合わせれば、感じた気持ちを共有しているかのように、私たちはそろって笑みを浮かべた。


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