私とあの子の魔法物語




いま、学園に向かうために列車に乗っているのだけど………。

視線が辛い。



まぁそうだよね。
アルは、綺麗な顔をしている。

そんなアルが私みたいな不釣り合いなフードを被った人と一緒にいるからね……。




「ねぇ、そこのフードを被ったかた私に席を譲ってくださらない?」


家柄の良さそうなお嬢さんが私に話しかけてくる。
……面倒ごとはごめんだ。



『うん、いいよ』


「えっ、ユウ!!」



引き止める声が聞こえるが、聞こえないふりをする。
だって絶対あそこで譲らないとめんどいことになりそうだからね。


空いてる席を見つけ、隣の人に声をかける。




『あの、隣いいかな?』



「……うん。」




青い髪の少年に声をかけると小さく答えてくれた。

青い髪で前髪が長くて目が見えない独特な少年だと思った。
ありがとう、そう言い席に着こうとすると誰かにぶつかられた。



『っ!?』


「あら、ごめんなさい。貴方みたいな薄汚い人間は目に入らなくて。」



『・・・大丈夫です。』





ぶつかった拍子に少し、フードが取れてしまった。
青い髪の少年にだけ見られちゃったかな?




『ごめんよ、見苦しいものを見せたね』


私は素直に謝る。
まったく、最近のお嬢さんは困った人が多いな……。
そう思い俯いて考えていると、



「!……全然そんなことない。むしろ…………。」


『ありがとう』




この子は、とてもいい子だな。
名前聞いときたいな!



『私は、ユウ・クロノス。貴方の名前よかった教えてくれる?』


すると頷き答えてくれた。



「アオハ・ブルース、よろしく。」




なんかどこかで聞いたことある名前のような……。
気のせいかな?




『よろしく、私のことはユウって呼んでね!』


「うん。俺のこともアオハ……でいいから。」


『ありがとう。よろしくアオハ』




なんか、新しい友達が出来て嬉しいな。
そんなことを思っていると腕を惹かれて抱きしめられた。

これは、、、アルだな。
強く抱きしめられてて音が聞こえない。
アオハの顔しか見えない……。




(ねぇ、君ユウにぶつかってきた奴わかる?)


(!わ、わかる。)



なんか、アオハの顔引きつってる気がするんだけど……。




(教えろ。)


(……あの一番前の席に座ってる、白のリボンをつけてる髪の長い子。)



(ふーん。教えてくれたことは、感謝するよ。さてっ、どうやってあの白リボンを潰すかな……。)


(あっ! 一応いっとくね。ユウは、俺のだから……いいね?)




(……(怖いこの人))



こころなしかアオハの顔が怯えてる気がするんだけど。
ちょっとアルなにを話したの……。


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