王子様は女嫌い!?
病室に広がる、これでもないかってくらいの沈黙…
「……………っ」
息がつまりそうになる
唯君…何しに来たの…?
あたしのこと、ウザイって言ってたのに…
なんで来たの………?
次々と頭に浮かび上がる疑問
そして恐怖…
「……………っ」
…また
また…
拒絶されるんじゃないかって…
手をキュッと握る
「…さ…佐々木君!!!!」
唯君が口を開くより先に
拒絶される前に
あたしの口が開いた
“唯君”とは、呼べなかった
「今日は来てくれてありがとね!!!!でもあたし大した怪我じゃないんだぁ~ちょっと落ちちゃっただけで」
次々と言葉が流れてくる
「そういえば今学校の授業ってどこやってるの?一応あたしもここでやってるんだけどさ、目安がつかなくて」
「…………………」
「里奈に聞いても分からないって言われて、あの子いつも授業中寝てるもんね」
「なぁ…………」
「あ、今教科書出すから待ってね」
あたしはそう言って、棚から教科書を出そうとした
…けど、その手を唯君に捕まれた