小悪魔な彼にこっそり狙われています
ここで吐くのはまずい。けど井上さんの家も分からないし、俺の家までもつかもわからない。
となると、ここは……。
ぐったりとする彼女の背中をさすりながら、車の窓から見上げた先にあるのは、街の片隅のピンク色の看板……。
『……すみません、ここで降ります』
覚悟を決め、彼女の体を支えながら、なるべくいやらしさのない外観のホテルを選び足を踏み入れた。
下心はない。決してない。井上さんが吐きそうだから。彼女をベッドに寝かせて俺はソファに寝る。
そう何度も自分の心に言い聞かせて。
『うぅ〜……ねる〜……』
部屋について早々、澪さんはボスンッとベッドに勢いよく飛び込む。
『井上さん、せめてアクセサリーくらいは外したほうが……、!』
そんな彼女がネックレスをしていたことを思い出し、靴を脱ぎながら声をかける。
ところが目に入ってきたのは、ベッドに寝転がる彼女の短いスカートから見えそうで見えない下着で……一瞬でネックレスのことなど頭から吹っ飛び、俺はすぐさま掛け布団で彼女の体を覆った。
いい歳して情けないけれど、好きな人のそういう姿となればドキドキしてしまうもので……。
必死に心臓を抑える俺に、こちらの気持ちなど露知らず、彼女は枕に顔をうずめる。