小悪魔な彼にこっそり狙われています
「……桐生社長、わざと言わせましたね?」
「えー?なんのことかなぁ、いやぁ照れてる井上ちゃんもかわいいねぇ」
そんな言われ方をすれば余計照れてしまう澪さんは、耳まで真っ赤になっている。
それを見ると、桐生社長は満足げに「あとはごゆっくり」とひらひらと手を振り去って行った。
あの人は本当、人をからかうのが生きがいな嫌な男だ。
……けど。
「澪さん、照れすぎじゃないですか」
「え!?だ、だって……あんな言葉聞いたら、誰だって照れるじゃない」
そう下を向いて赤い顔を隠そうとしている彼女が、なんだかまたかわいくて、たまらなく愛しくて。
こんな顔を見せるよう仕組んでくれたことには、感謝しようとすら思える。
「そんなかわいい顔見せてくれるなら、何度だって言いますよ。……世界中の誰よりも、澪さんのことが好きです」
俺以上にあなたを愛してる男なんて、きっといない。
囁いて触れたその頬は熱く、この手の冷たさにほどよく溶け合うのを感じた。
end.


