小悪魔な彼にこっそり狙われています
来栖くんとふたり並んで、静かな廊下をスタスタと歩く。
先日の会議室でのこと以来、私と彼の間にはなにもない。
私は極力顔を合わせないようにしていたし、彼から近づいてくることもあまりないし。
いつものように仕事に追われるうちに、気づけばあれから3日ほどが経っていた。
けど、こうして改めて顔を合わせるとやっぱり気まずい……。一方的に意識してしまって、変に肩に力が入ってしまう。
あぁまずい、意識してるとか思われたくない。
年上のくせに告白されてキスされたくらいで動揺してるとか、そんなのかっこ悪すぎる。
……ていうか、来栖くんってあんなにグイグイくるタイプだったのね。
いつもぼんやりしているから、恋愛でもそんな感じだとばかり思っていた。
ところが実際は草食系どころか隠れ肉食系……これが噂に聞くロールキャベツ系男子!?
雑誌で見かけた記憶のあるその名前を思い出しながら、そうかこれがあの、とひとり納得してしまう。