小悪魔な彼にこっそり狙われています



「なんていうか……来栖くんらしい殺風景な部屋だね」

「それ、褒めてます?それとも嫌味ですか」

「どっちも、かな……」



よく言えばシンプルな、悪く言えば読めない、来栖くんらしい部屋だ。

話しながら部屋の壁際にあるキッチンに買い物袋を置く私に、来栖くんはスーツのジャケットを脱ぐとそれをまたバサっとソファに雑に置く。



「じゃあ、早速だけど台所借りるね」

「構いませんけど……井上さんって料理出来るんですか?」

「一応ね。あ、来栖くんは安静にしてて!」



早速手を洗い、料理の準備にとりかかる。

すると来栖くんは「とりあえず着替えてきます」と、部屋の手前にある茶色いドアの向こうへと入って行った。



あそこは寝室かな。広々とした部屋に日当たりもいいし、マンション自体まだ新しいみたいで綺麗だし……いいところに住んでいるなぁ。

そう思いながらついキョロ、と室内を見渡す。


< 52 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop