腹黒御曹司がイジワルです
彼は怪訝な声を上げるけど、そんなこと一度も言ったことがないから仕方がない。
私がベタベタしないのは、賢がそうすることをイヤがるからで、嫌いなわけではない。
むしろ、たまにはくっついていたい。
「そんなことない。賢とならうれしいよ!」
思わず高いテンションでそう言ってしまったけれど、彼の反応が怖い。
自立した女性を好む彼に、重いと思われたくない。
『そっか』
あっさりしすぎた返事に、冷や汗が出る。
やっぱり重い?
千佳、予想通り賢は甘えられるのは嫌いみたいだよ。
「あの、賢……」
『ごめん。ちょっと飲んじゃって、眠いんだ』
「わかった。ごめんね。おやすみ」
約束をすっぽかされたのは私の方なのに、なんで私が謝ってるんだろう。
でも、クリスマスパーティに一緒に行ってくれるだけで、よしとしなくちゃ。
胸の内を言い出せない苦しさと、約束できたうれしさが入り混じった複雑な気持ちで、電話を切った。