キミと初恋、はじめます。
「私と詩姫はこのまま教室戻るわ。祐介、ちゃんと翔空が逃げないように教室まで送り届けなさいよ」
「りょーかい、なっつん」
「えー、シキと離れたくな……」
「っるせぇ!早く行くぞ」
祐介くん、だいぶ怒ってらっしゃいます。
眉尻をさげる翔空と、翔空を睨みつける祐介くんを交互に見てから、あたし達は手を振った。
「じゃあ、あたし達行くね!」
「おう、後でクレープ差し入れ持ってくな!」
「翔空もだけど、祐介、あんたもサボらないでよね」
「へいへい、わかってるって」
あたしとなっちゃんは2人と別れ、また廊下を縫うように走り出す。
学園祭、最初からペースを乱されっぱなしだけれど。
生徒の皆は、生き生きとしていて、こっちまで楽しさが湧いてくる。
……よし、今度こそ、頑張ろう!!