キミと初恋、はじめます。





「華沢ちゃん!3番席オーダー取って来て!」


「は、はいっ」


「いらっしゃいませー!……え?あ、うちのお姫さまですか?はい、いますよ!詩姫ちゃん、お客さんー!」


「しょ、少々お待ち下さいっ」



開店から早くも3時間。

12時を過ぎた今、忙しさはピークに達していた。


廊下には長蛇の列でお客さんが並び、次から次へと入って来る仕事にみんな走り回っていた。



「ね、キミ可愛いねっ」


「俺らと連絡先交換しない?」



若い男の人……大学生くらいだろうか。

オーダーを取ってる最中、そんな事を言われあたしはぺこりと頭を下げる。



「申し訳ありません。プライベートはちょっと……」


「そんな事言わずにさっ」



し、しつこい……!

さっきまでのこういうナンパは、全てなっちゃんが回避してくれていたのだけど。


今さっき、陸部の方へと準備に出ていってしまった。
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