キミと初恋、はじめます。


「なっ交換して遊ぼうぜ!」


「ひっ……」



ガシッと掴まれた腕に身が震え上がる。


どうしよう…!とパニクっていると、あたしの腕を掴んでいた手を誰かがやんわりと掴んだ。


驚いて振り返ると、ドラキュラの格好をひた委員長……野村くんの姿。




「お客さま?うちの姫にプライベートな話は困ります。姫には王子がいますからね?」


「はぁ?なんだよ、おまえ」


「まさか、おまえが王子?」



け、喧嘩、始まらないよね……!?


おろおろと野村くんと大学生の2人を交互に見ると、野村くんは不敵にフッと笑った。



「まさか。俺にはもったいないくらいの姫でしょう?お客さまには、もっともったいないですね。 彼女には、ふさわしい王子がいるんですよ。わかったら離してくれますか?」



野村くんの笑顔が怖い。


顔は笑顔なのに目は全然笑ってない。


それでもあたしの腕を離そうとしない彼らに、泣きそうになっていると



────…フワッ!
< 208 / 418 >

この作品をシェア

pagetop