キミと初恋、はじめます。
「なっ交換して遊ぼうぜ!」
「ひっ……」
ガシッと掴まれた腕に身が震え上がる。
どうしよう…!とパニクっていると、あたしの腕を掴んでいた手を誰かがやんわりと掴んだ。
驚いて振り返ると、ドラキュラの格好をひた委員長……野村くんの姿。
「お客さま?うちの姫にプライベートな話は困ります。姫には王子がいますからね?」
「はぁ?なんだよ、おまえ」
「まさか、おまえが王子?」
け、喧嘩、始まらないよね……!?
おろおろと野村くんと大学生の2人を交互に見ると、野村くんは不敵にフッと笑った。
「まさか。俺にはもったいないくらいの姫でしょう?お客さまには、もっともったいないですね。 彼女には、ふさわしい王子がいるんですよ。わかったら離してくれますか?」
野村くんの笑顔が怖い。
顔は笑顔なのに目は全然笑ってない。
それでもあたしの腕を離そうとしない彼らに、泣きそうになっていると
────…フワッ!