キミと初恋、はじめます。


たまに翔空が使う、〝俺だって男だ〟って言葉。


あたしが、翔空を男の子じゃないって思ってるような言い回しに聞こえてならない。



「……わかってるよ。翔空が男の子だって事くらい」



そう言ったあたしの声は、少しばかり震えていた。


怖いわけじゃないのに。

どうしてこんなにも、涙がこみ上げてきそうになるんだろう。




「……今すぐここで、心も体もぐちゃぐちゃにしたい……って、言ったらどうするの?」


「…っ……それは」


「男って、そーゆーものだよ」


「ん……っ」



反抗するあたしを押さえつけるように、翔空の唇があたしの唇に重なる。
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