キミと初恋、はじめます。
────…甘い。
翔空とのキスは、何度しても……ただただ甘い。
翔空の香りをこんなに近くで感じて、想いとか考えてる事とか、この瞬間が1番わかるような気がするんだ。
それでも翔空は、絶対に、あたしが嫌がる事はしない。
それだけは確信を持って言える。
誰よりも何よりも優しい。
それが翔空の一番の〝素〟の部分だって、あたしは知ってる。
「……はぁ……っ」
長めのキスが終わり、翔空の顔がゆっくりと離れていく。
入ってきた空気に、少し息を荒くしながら、あたしは翔空に向かって笑みを零した。
「翔空は、翔空でしょ?」
「……え?」
「あたしは翔空に何をされても構わない」
「…そんな事簡単に言っちゃ…」
「ダメだって?でも翔空は、あたしの心なんて手に取るようにわかっちゃうでしょ。今の言葉が本心かそうじゃないかくらい、わかってるはずだよ」
……翔空はあたしの心をすぐに読める。
それは、誰よりも何よりも、あたしを見ていてくれているからなんだよ。
あたしを見下ろす翔空に、まっすぐと見つめ返す。
「……んー、どうかなー」
フッとあたしから離れた翔空が、あたしに背を向けた。