キミと初恋、はじめます。


「んー、恥ずかしいから言いたくなかったんだけど。信じてもらえてないみたいだからやっぱり言うね」



なにを?

あたしはまたもやキョトン。



「一目惚れ……ってやつ?」


「………………」



その言葉を理解するまで数十秒。


理解した途端、ボッと音を立てそうなほど急激に顔が赤くなるのを感じる。



ぎ、疑問形で聞かないで!?

そして恥ずかしいなんて、絶対これっぽっちも思ってないでしょう!?


こんな地味で可愛くもないあたしに、一目惚れなんて断じてありえない。


急激に沸騰したお湯みたいに、顔から湯気が出そうだよ……!



「む、無理です!あたし、あなたの事何も知らないし……っ」



いくら王子さまみたいだって、あたしは好きじゃない人と付き合えるほど器用じゃない。


それに……あたしは、またいつ転校になるのかも、わからないんだから。



「んー、わかった」


彼の言葉にホッと安堵したのもつかの間。



「なら、これから俺の事知って?」


「!?」



彼はまたもや爆弾を投下してきた。



「シキちゃんが俺のこと好きになってくれまで諦めないよ。これから少しずつ、色んな事知ってくれれば、それで俺は満足」



とんでもないことを、目の前の王子さまは次々とあたしに放り込んでくる。



「でも、俺と一緒にいたら多分ちょっとだけめんどくさい事になるからー……。うん、シキちゃんの事は俺が守ってあげる」


「め、めんどくさいこと?」



思わず聞き返したあたしに、彼は困ったように首をかしげた。
< 23 / 418 >

この作品をシェア

pagetop