キミと初恋、はじめます。
「まぁ、多分明日になったらわかるよ」
「そんなぁ……」
情けない声をあげたあたしの頭を、彼はフワッと包み込むように撫でた。
「あ、あの……っ!翔空くん、は……何年生ですか?」
いつまでこんな至近距離で、抱きしめられていないといけないんだろう……という最もの疑問が頭の中の大半を支配している中、あたしはとりあえず気になっていた事を尋ねる。
「俺は、二年生だよー。シキちゃんの一個上」
「あ……先輩だったんですね。あの名字、教えてもらえますか。それから、もう少し離れて……」
もう喋るのも戸惑うほど近い。
甘い顔が、今にも触れそうで……甘い匂いがフワッと漂ってきて。
追い討ちをかけるように背中には、逃がすまいと手が回されている。
いい加減、起き上がりたいんだけど……!
ぐるぐると頭の中はパニクったまま、あたしの顔は真っ赤。
誰かに見られたら多分その瞬間、あだ名が〝ゆでダコ〟か〝トマト〟になる。
いや、この先輩には見られてるんだけど。
しかもこんな至近距離で……!