キミと初恋、はじめます。




「と、翔空?」


「んー?」


「あの、もう手……離してもいいんじゃない?」



帰りの電車の中。

目の前に立つ翔空に、チラリと視線を向けながら言った。


この時間はどうやら空いてるらしく、電車内はところどころに席が空いていて。


1人分空いてる席に、翔空に無理やり座らされたのはいいものの……どうして、こんな時まで手を繋いでいないといけないのか。



「ダメだよー。離したら、シキちゃん逃げていっちゃいそうだし」


「に、逃げないから!」



なんでこんなにマイペースなんだ。


いや、わがままっていうの?

いやいや、離れたがらない寂しがり?


……ううん、きっと全部だ……。
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