キミと初恋、はじめます。
「あ、じゃあ離してあげるから、その代わりに俺がそこに座って、膝の上にシキちゃん座らせようか……」
「け、結構ですっ!!」
翔空が最後まで言う前に、あたしは遮るように声をあげる。
電車の中だし、極力抑えてだけれど。
「シキちゃん、また赤くなった。可愛いなー、ほんと」
「なっ!?」
言い返そうとして、グッと堪える。
だってきっと……認めたくないけど、今あたしが赤いのは事実だし、
なにか言ったところでまたとんでもない答えが返ってくるに違いないから。
……あたし、もうとっくに翔空の超マイペースに呑まれてるじゃないか。
でもこれだけは言える。
翔空と一緒にいたら、あたしの心臓は一時も休まらない。
もう自分の心臓の音が常に聞こえて来るくらいに、ずっと高鳴っている。
……翔空が、好きなんて言うからだ。
なんか悔しい。
あたしが照れるところじゃないはずなのに、この人は何も感じてないみたいに……。
そう考えたら、なぜか悲しくなってきた。