キミと初恋、はじめます。


「野口も東条も、クラスの皆も、あんたのこと待ってるよ」



『……委員長に響くん。でも、あたしもう学校戻れないんじゃないかなって……。理事長に退学届け出しちゃったし……』


「はぁ!?」



衝撃的な言葉に、一気に涙も感動も引っ込んだ。



「退学届けなんて出したの!?あんたバカ!?」


『や、え、だって……もう戻らないつもりでいたし……』




しどろもどろになって目を泳がせている姿が見ずともわかった。


てか、退学届けってなによ!


私たちには言わなかったくせに、律儀に退学届けは出してきたわけ!?



「あんたは真面目かっ!」


『ご、ごめん……』


「あーもう、とりあえず理事長に直談判を……」


『え、あ、翔空起きた……ってちょ、まだ途中……』



この私が頭を抱えているっていうのに、向こう側がやけに騒がしい。


思わず眉を寄せると


『あ、夏ー?』


というのんびりした声と詩姫の「返して!」という声が同時に聞こえてきた。


< 411 / 418 >

この作品をシェア

pagetop