キミと初恋、はじめます。
「野口も東条も、クラスの皆も、あんたのこと待ってるよ」
『……委員長に響くん。でも、あたしもう学校戻れないんじゃないかなって……。理事長に退学届け出しちゃったし……』
「はぁ!?」
衝撃的な言葉に、一気に涙も感動も引っ込んだ。
「退学届けなんて出したの!?あんたバカ!?」
『や、え、だって……もう戻らないつもりでいたし……』
しどろもどろになって目を泳がせている姿が見ずともわかった。
てか、退学届けってなによ!
私たちには言わなかったくせに、律儀に退学届けは出してきたわけ!?
「あんたは真面目かっ!」
『ご、ごめん……』
「あーもう、とりあえず理事長に直談判を……」
『え、あ、翔空起きた……ってちょ、まだ途中……』
この私が頭を抱えているっていうのに、向こう側がやけに騒がしい。
思わず眉を寄せると
『あ、夏ー?』
というのんびりした声と詩姫の「返して!」という声が同時に聞こえてきた。