キミと初恋、はじめます。
「翔空……あんた寝てたの?」
『いやー、なにせ夜寝てなかったしね。で、今の話だけどー…ってちょ、シキひっぱんないで』
「…………とにかく手短に話せ。そして早く詩姫にかわれ」
つい数時間前までは抜け殻だったくせに、あっという間に元に戻っている翔空に無性に腹が立ってきた。
大体コイツを心配したのが間違いだったのよ。
心配なんかしなくても、勝手に浮いたり沈んだりしてんだから。
『冷たいなー、夏は。んじゃ、手短に離すからちゃんと聞いてよ。
シキの退学届けの事だけど、さっき母さんに確認したら、もうとっくに破いて捨てたらしい』
「や、破いた?」
思わず声が裏返った。