キミと初恋、はじめます。
「翔空の名字、星宮っていうんだね」
「ん?あ、バレちゃったー」
バレちゃったーって……
全然気にしてないよね、それ。
翔空は何でもないように笑ったまま、あたしの頭に手を置いて優しく撫でた。
「じゃあね、シキちゃん。送らせてくれてありがと」
えっ!?
お礼を言うのはあたしの方なのに!
「あ、あたしこそ、送ってくれてありがとう!またね!」
慌ててペコッと頭を下げてから、あたしは家に入るべく翔空に背を向ける。
視界に翔空の姿がなくなって、離れた手の温もりがなぜか少し恋しくなる。
そんな自分に呆れながら玄関の扉に手をかけた瞬間────
フワッと甘い香りに包まれた。