キミと初恋、はじめます。
────……ギュッ。
「……っ翔空!?」
突然、後ろから抱きついてきた翔空の胸にすっぽりとおさまったあたしは、驚いてかたまる。
「……ごめん、ぎゅーってしたくなった。シキちゃん、良い匂いするね」
ごめん!?
それはなにに対してのごめんなの!?
頬に翔空の吐息がかかって、あたしの心臓は今にも破裂しそうなほどに鼓動を鳴らした。
「いっ、いいいいい匂いって……っ」
だめだ、あたしテンパりすぎだ!
頭の中が真っ白になっていくのと同時に、あたしの顔は対照的に真っ赤に染まる。
……途端、翔空がスッと離れて、驚いて振り返ればなにも無かったかのように手を振った。
「明日、朝迎えにくるから」
「えっ!?」
「またね、シキ」
「っ……!?」
なんで、そんな……反則だよ……っ…!
急に後ろから抱きついた上に不意打ちで呼び捨てなんて、あたしの心臓が持つわけがない。
のんびりと歩いていく翔空の背中を呆然と見つめながら、あたしはその場にへなへなと座り込んだ。