キミと初恋、はじめます。
「キミに……というか、キミ達に翔空さまなんて呼ばれる筋合いないんだけど」
温度を感じさせない声でそう言い放った翔空は、ヤンキー女子の手を離してあたしの事を守るように両腕で抱きしめた。
翔空、なんか様子が……。
「あぁ、それから」
一瞬、翔空の瞳の奥に深い闇が見えたような気がした。
その場の全員がコクリと息を呑む。
「シキに手を出したら、許さない。……それだけ、覚えておいて」
トクンッとあたしの胸は高鳴ったが、取り巻きの女子達は皆あんぐりと口を開けるのみ。
翔空の迫力がすごい。
王子の威圧ってやつなの……?
普段はあんなにのんびりしていて、いつも笑っているようなイメージの翔空がここまでの冷たいオーラを出しているのだから、かたまるのも無理はない。
だってあたしも一瞬怖いと思ってしまった。
それでも抱きしめられているこの翔空の温もりは、あたしを守るって包み込むように安心させてくれて。
〝こんな取り巻きなんか怖くないよ〟
そう言われた気がしたんだ。