DQN女がオトナになるまで。




そして数週間後。

あたしはヘルプでの出勤が増え、
居酒屋のお店の人たちとの
交流も深めていた。

バイトの人とはSNSでも
繋がるようになっていた。



バイトがない日には
友達とお酒を飲んだり
クラブに行ったりしていたけど
特にいい出会いもなく
恋愛に関しては何も進展がない日々だった。

そんな今日もあたしはヘルプでバイト。



店内はそこまで混み合ってもなく、
あたしはゆっくりと洗い物をしていた。

「え〜多部さんの彼女って
この中にいるんですか?!」

「いるよ〜」

最近新しくバイトに入ってきた
女の人の声がした。
この声は確か、伊藤さんかな?

多部さんって社員の中でも
最年少で確かまだ27とかだったかな?
この中に彼女って...え?!

黙々と食器を洗いながら
聞こえてくる会話に耳を傾ける。

ところどころ聞き取れないけど
ええー?!登川さんですか?
と、聞こえてきた。

登川さんって、古株の先輩かぁ。
なんかいいなぁ。お似合い。

そんなことを考えていると
ちょうど登川さんが
お皿を拭きに来てくれた。

「多部さんの彼女って
登川さんなんですか?」

「多部さんの彼女は、私です」

登川さんはニコリと笑った。

なんかいいなぁ。
なんて一人でまた考えていると
呼び鈴がなった。

「あ、あたし行ってきます」




< 8 / 36 >

この作品をシェア

pagetop